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わいせつ物頒布罪

わいせつな文書、図画、その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらを所持した者も、同様とする。

刑法175条


 刑法175条は、上記のようにわいせつ物頒布罪を規定します。この規定については、道徳の押し付けである、わいせつの定義が曖昧である、ゾーニングなど考慮されていない点で過度に広範であるなどとの学界の批判がなされています。しかし、裁判所は松文館裁判と呼ばれるごく最近(2007年)の裁判でも、サド裁判(1969年)など過去の判例を維持し、合憲としています。
 裁判所も、その問題を認識していないとは思えないのですが、もしわいせつ物頒布罪を違憲としてしまうと、わいせつ物に関して歯止めがなくなってしまい、社会が混乱するわけですから、なかなか違憲判決も出せないのでしょう。
 そうすると、国会で取り上げて法改正を運動するしかないのですが、女性議員らの強い反発が予想され、なかなか動いてくれる議員はいないでしょう。
 したがって、わいせつ物頒布罪の違憲を争うのは、当面無理という結論になります。

 わいせつ物頒布罪の保護法益は、「性的秩序を守り、最小限度の性道徳を維持すること」とされています(1957年、チャタレイ事件)。

 わいせつの概念については、「①いたずらに性欲を刺激し興奮または満足させ、②普通人の正常な性的羞恥心を害し、③善良な性的道義観念に反すること」(1951年、「サンデー娯楽事件」)とされています。これはわいせつ三要件と呼ばれます。

 なお、芸術性がわいせつ性を減少させるとの指摘に対し、「当該文書の性に関する露骨出詳細な描写叙述の過程とその手法、描写叙述の文書全体に占める比重、文書に表現された思想等と描写叙述との関連性、文書の構成や展開、さらには芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度、これらの観点から該文書を全体としてみたときに、主として、読者の好色的興味に訴えるものと認められるか否かなどの諸点を検討することが必要」(1980年、「四畳半襖の下張り」事件)としており、芸術性がわいせつ性を減少させる点は認めているものの、その裁判では結局有罪となっています。

 2007年松文館裁判において、上記判例をそのまま踏襲するという保守的な判決がなされました。

 しかし、詳しく調べていないけれど、かつて有罪となった『チャタレイ夫人の恋人』や『悪徳の栄え』が今は成人向け作品でもなく、普通に売られているのはどういうわけなんでしょうね。松文館裁判の場合も、他にもっとわいせつな出版物もあるだろうになぜそれだけが告発されたのかと考えると、警察の基準は極めて曖昧であって、恣意的な印象がします。裁判所はわいせつ三要件を以って、わいせつの概念は曖昧ではないとしますが、あまり説得力はないように思われます。
 わいせつの概念は曖昧なので、警察しては、人権団体に規制が甘すぎると糾弾されれば、突如規制を厳しくして、それまで普通に流通していたものも法改正の必要はなく、警察内部の解釈の変更によって違法化させることができるという感じがします。
 いわゆる18禁は、青少年健全育成条例などに基づいてゾーニングされているようであり、刑法175条で規律されているわけではないようです。

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